不識塾
プロフィール |
1942年(昭和17年)生まれ 出身地: 大阪 1965年 一橋大学経済学部卒業後、日産自動車株式会社勤務(~1971年) 1973年 ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)同大学研究員、講師を務めた後 1974年 大阪大学助教授、教授を経て 1991年 一橋大学教授(~1999年) 1993年 細川内閣「経済改革研究会」(平岩研究会)委員 1998年 小渕内閣「経済戦略会議」議長代理 1999年 ソニー株式会社取締役(~2005年) 2000年 三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)理事長(~2020年3月) 2001年 多摩大学学長(~2008年3月) 2003年 ソニー取締役会議長(~2005年6月) 2004年 オーストラリア国立大学名誉法学博士 2005年 一橋大学名誉教授 2008年 多摩大学名誉学長 2010年 一般社団法人 不識庵 を設立、「不識塾」塾長 2018年 株式会社 不識庵 へ改組、代表取締役に就任 |
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主要著書 |
2021年 『入門マクロ経済学(第6版)』(日本評論社) 2018年 『「AI資本主義」は人類を救えるか~文明史から読みとく』(NHK出版新書) 2013年 『不識塾が選んだ「資本主義以後」を生きるための教養書』(共著・集英社インターナショナル) 2012年 『資本主義以後の世界~日本は「文明の転換」を主導できるか』(徳間書店) 2010年 『日本の「復元力」~歴史を学ぶことは未来をつくること』(ダイヤモンド社) 2008年 『資本主義はなぜ自壊したのか』(集英社インターナショナル) 2006年 『愚直に実行せよ!~人と組織を動かすリーダー論』(PHPビジネス新書) 2002年 『痛快!経済学』(集英社文庫) 1998年 『日本経済の歴史的転換』(東洋経済新報社) |
メッセージ | 夢がなければ何事もはじまらない |
プロフィール |
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専門分野 |
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関心テーマ | 比較制度分析,社会規範,言語哲学,プラグマティズム |
メッセージ | 今の日本の政治・経済・社会にとってのもっとも大事なことは、あるべき姿を大上段に構えて一挙に改革を行うという姿勢よりも、この国の歴史的蓄積を踏まえたうえで、実効性のある改革を行うことのできる力なのではないでしょうか。これは難しいことですが、そのためには個々の専門知識(scientia)を身につけるだけでなく、それをわれわれの先人の辿った道と結びつけて考えることのできる知恵(sapientia)にまで高めあげることだと思います。この講座を通して、皆さんとともに、そうした視点に磨きをかけていきたいと考えています。 |
著 作 | 『現代経済学―ゲーム理論・行動経済学・制度論』(中公新書、2018) 『市場を創る ― バザールからネット取引まで』共訳(NTT出版、2007) 『比較制度分析に向けて』共訳(NTT出版、2001、2003) |
所属学会 |
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社会活動 |
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修了生インタビュー
40歳代CEO育成講座 (09.2.6 取材) より
頭を垂れ、謙虚になって「学ぶ」姿勢こそが自分を成長させる
修羅場の経験と見識が合わさって、懐の深い人間をつくる
実際に講座を受けられて、いかがでしたか?
岐部さん:3期生で受講して、その後4年間アドバイザーという立場で講座に関わっているので、厳密に区別できませんが、受講生時の最初は、講座にかけるエネルギーはせいぜい2割程度、決してまじめではなかったし、むしろ、ちょっと斜に構えていたくらいでした。そもそも、中谷先生は、小渕内閣の『構造改革』の中心人物として、「建設業界は駄目な日本の象徴である」と思っていらっしゃったようで、我々の意見にはまったく聞く耳を持たない方というイメージがありまましたから、正直なところ、「あの中谷先生がやっている講座か・・」と・・・(笑)。
けれども、講座が始まってすぐに、中谷先生の頭の回転の速さやロジカルにまとめる能力の高さ、謙虚に学ぶ姿勢などに驚きました。我々が必死に考えたプレゼンに対して、「本当に言いたいことはこういうことなのでは?」と鋭い指摘をいただいたり、同じ話を聞いているのに、見方や捉え方がまったく違っていて、勉強になるなんてもんじゃなく、すっかり講座に参加することが面白くなりました。
それは、単に、知識を縦横につなげるというような表面的なことではなく、もっと奥にある深い見識や修羅場の場数、そういう懐の深さのなせる技だと思いました。仕事とは、結局は、自分の考えをどれだけ理解してもらい、受け入れられてもらえるかという、ある意味「ケンカ」だというのが持論ですが、その意味で中谷先生は相当ケンカが強い(笑)。ケンカは、瞬発力や基礎体力があれば、ある程度は勝てるけれども、中谷先生のような人には、深い懐がなければ太刀打ちできませんね。
そのようなこともあって、先生と勝負してみたいと思い、最終モジュールでは中谷ゼミを希望しました。自分の提案した構造改革案は、もちろん自分の力不足のせいなのですが、なかなか会社の人には理解してもらえなかったのに、ものの5分で「それは面白い!」と賛同してもらって、さらにそれ以上のコンセプトを気づかせてくれました。それは極めて刺激的な瞬間でした。
たぶん、弊社が毎年、CEO講座に受講生を派遣している理由の一つとして、講座に預けておけば、普段会社で生まれないような新しい発想や、ビジネスモデルが出てくることに期待していると思います。「建設業の市場はこれからますます小さくなる」というのは、今や一般的な考え方ですが、この業界に長くいる人ほど小さくなる市場でどう生きていくかという議論に終始して、市場を拡げよう、創造しようという発想は生まれにくくなっていますし、会社の中では、ミドルの意見をダイレクトに採用して、すぐに会社の機構改革にまで繋げるのは難しいというのが現実です。そういう意味で、弊社はもっともこの講座の意味を理解して、最大限活用させて頂いていると思っています。
俯瞰的な物の見方や論理的な思考を鍛える
同じ部署に、卒業生が数名いらっしゃると伺いましたが・・?
岐部さん:今、現役の7期生を含めて同じ部屋に4人、異業種企業家塾の卒業生も含めたら7人います。一つは、本を読む習慣ができているので、他の部員にも大きな刺激を与えていること、それから、朝礼が面白くなりました。うちの部では毎朝、持ち回りで3分程度の話をするのですが、取り上げる話題もさることながら、何の変哲もないニュースのトピックスから世界や日本の構造を分析し、解決策に向けた持論を展開するといった事も日常茶飯事です。社会やマーケットの動向など常に世の中を俯瞰的に捉えようと意識しているので、お互いにその話題の背景やつながりをすぐに理解できるのが楽しいです。
別の言い方をすると、仮説をたてる力が鍛えられているということかもしれません。我々は、常に過去を見ていますよね。つまり今日成功したモデルはすでに過去のモデルで、二匹目のドジョウはいない。つい経験の延長線上に将来を見がちだけれども、今の時代はもはや経験則だけではチャンスは生まれないと思うんです。イノベーションを起こした企業だけが、生き残っていく。そうすると、いろいろな情報をつなぎ合わせて、仮説をたてる訓練をしている人が、やっぱり勝つんじゃないかと・・。
新しいコンセプトを生み出す思考プロセスを身につける
「仮説を立てる訓練」とはどういうことですか。もう少し詳しく聞かせていただけますか?
岐部さん:CEO講座では、例えば、「イスラムと日本はどう対峙するのか」というテーマを取り上げていますよね。おそらく、多くの人にとって、殆んど予備知識がない問題だから、きちんと勉強しなければなりません。しかも非常に限られた時間で、です。そうすると何が起こるか。常識を持っていないので、氾濫する情報から有益な情報を取捨選択して、自分の頭で必死に考えるしかないわけです。私が常々、この講座には企業の中でもっとも忙しい人に来て欲しいと言っている理由のひとつがそこにあります。
時間があると、つい多くの専門家の意見を調べて、それをつなぎ合わせ、自分達の意見だと勘違いしてしまう。でも我々ビジネスマンにとっては、正解かどうかよりも、新しいコンセプトを生み出す思考プロセスを身につけることが、重要だと思うんですね。多くの受講生が、「会社の中では論理的だと思っていだけど、この講座でいかに自分が論理的でなかったかと思い知った」と言いますが、会社の仕事に専念していると、俯瞰的なものの見方や論理的な思考がなかなか育たないということが日本企業の大きな構造問題のひとつだと思います。
おそらく、講座を受講したからと言って、すぐに会社でのポジションや表面的なものが変わるわけではないですが、絶対的な能力はアップしたという実感がありますし、知っていると思うことでも、もう一度謙虚に見直してみると、別の世界が見えてくる。頭を垂れ、謙虚になって学ぶことが自分を成長させるのだと思えるようになってきました。
世界情勢を半歩先取りしたテーマ選定を続けてほしい
最後に、講座に期待することをお聞かせ頂けますか。
岐部さん:一つは、時代変化を先読みするようなテーマ選定を続けて欲しいということですね。MBAのプログラムをみても何も感じることはありませんが、この講座のプログラムを俯瞰して見ると、世界が今後どう動いて、何が問題かが垣間見える。しかも2~3年先の世界ではなく、つねに半歩だけ先取りしている。その時代感覚がいいと思います。
もう一つは、仲間同士の切磋琢磨。10ヶ月間とことん取り組む覚悟を持って受講している人の期待は、絶対に裏切らないだけの内容があると思います。自分がそうできなかったから、これから来る人には、是非最初から本気で取り組んで欲しいし、もっとも忙しい人に受講して欲しいと思います。そういう人こそが、この講座でより多くのモノを得ると思いますから、派遣する側の人には、もっともっと講座のことを理解して、利用して欲しいですね。
そういう意味で、事務局にはうんと頑張って欲しいけど、卒業生にも頑張って欲しいです。会社には、派遣してもらった恩も義理もある。その投資に対してどういうリターンをするのか。もちろんそれぞれの形があっていいと思いますが、私は、卒業生が講座のことを一番よく知っているのだから、本当のエースを派遣できるよう会社に対して尽力することが会社への最大のリターンではないかと思います。
プロフィール |
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専門分野 | 歴史社会学 世界システム論 国際関係論 |
関心テーマ | 帝国論、グローバル・ヒストリー、モノから見る歴史、社会理論、メタヒストリー |
メッセージ | グローバリゼーションにともなう相互依存の拡大と深化は、私たちの日々個別の判断の地平をいやおうなく押し広げてしまいました。変化の振幅が激しくなり、さらにそのインパクトが増幅されるメカニズムの制御が困難になるなか、「100年に一度」や「1000年に一度」といった言葉がメディアに踊っています。視点を長期にとり、歴史的次元から問題の構造を解きほぐす作業が求められるのです。この作業に答えを約束された単一の方法はありません。むしろ多様な知を持ち寄り、組み合わせていくことを避けられません。本講座をとおして、皆さんと一緒にその作業に取り組みたいと思います。 |
著 作 |
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所属学会 |
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社会活動 |
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プロフィール |
1961年生 出身地:和歌山県 出身校:多摩大学経営情報学研究科 博士課程前期修了 |
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経歴 |
1981年 日本国有鉄道入社 1987年 鉄道大学卒業 1987年 西日本旅客鉄道入社 1993年 (財)関西生産性本部入局 1996年 経営コンサルタント養成講座修了 (財)関西生産性本部主催 1997年 神戸大学経営学部大学院グローバルマネジメント科共同研究員(’98/3まで) 1999年 (財)関西生産性本部業務部課長 2001年 (財)関西生産性本部業務1部副部長 (兼)コンサルティング部ロジスティクス改革プロジェクト・リーダー 2002年 多摩大学経営情報学部助教授・ルネッサンスセンター・チーフディレクター 「40歳代CEO育成講座」統括リーダー 2003年 多摩大学ルネッサンスセンター助教授 2006年3月 多摩大学大学院経営情報学研究科ロジスティクス経営コース修了 2006年4月1日 多摩大学ロジスティクス経営戦略研究所副所長(兼務) 2007年4月1日 多摩大学ルネッサンスセンター副センター長 2010年2月22日 一般社団法人不識庵 監事 2012年4月25日 一般社団法人不識庵 理事 2013年5月1日 一般社団法人不識庵 専務理事 2018年4月1日 株式会社不識庵 取締役 2019年4月1日 株式会社不識庵 専務取締役 |
メッセージ | 「リベラルアーツとは何か?」、「リベラルアーツと経営」について講演を行っておりますので、ご用命ください。 |
専門分野 | リベラルアーツ教育(宗教、哲学、倫理、文化、文明、歴史等) |
著 書 |
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テキスト |
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プロフィール |
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関心分野 | 哲学、思想、社会科学、教育、書評 |
メッセージ | 一見、実業とはかけ離れているように思える哲学や思想も、「問う力」が重要な点では共通しています。業務改善であれ組織変革であれ、その出発点には「なぜ」があるように、すぐれた哲学や思想の根底には、必ずすぐれた問いがあるのです。この講座でも、みなさんとの議論を通じて、時代を切り拓く「問い」を考えていきたいと思います。 |
著 作 |
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主な編集・構成書籍 |
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その他の活動 |
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青天白雲塾
プロフィール |
1956年 福島県生まれ 1984年 東京大学教養学部教養学科地域文化専攻フランス科卒業 1992年 株式会社朝日出版社取締役第二編集部長 2014年 同社退職 2020年 株式会社不識庵入社 2021年 「青天白雲塾」塾長 関心テーマ 自然主義の軟着陸、日本語による哲学の可能性、十分な用例を収録した日本語辞書、〈見えているのに見ていないもの〉を意識すること [書籍編集 担当書目(抜粋、敬称略)] ✓坂本龍一『本本堂未刊行図書目録』(週刊本)1984年 ✓『エピステーメー』第II期1985—86年 Ⅱ-1「ミシェル・フーコー」 Ⅱ-2「構造変動」 Ⅱ-3「自己組織化」 Ⅱ-4「エマニュエル・レヴィナス」 ✓科学の名著 第II期(全10巻)1988—89年 1 インド医学概論 : チャラカ・サンヒター 2 ウィルヒョウ : 細胞病理学 3 近代熱学論集 : アンペール、クラウジウス他 4 ラヴワジエ : 化学原論 5 ラマルク : 動物哲学 6 ドルトン : 化学哲学の新体系他 7 デカルト : 哲学の原理 8 ボイル : 形相と質の起源 9 ベルナ―ル : 動植物に共通する生命現象 10 ホイヘンス : 光についての論考他 ✓篠山紀信・樋口可南子『water fruit』1990年 ✓篠山紀信・宮沢りえ『Santa Fe』1991年 ✓レーモン・クノー『文体練習』(朝比奈弘治訳)1996年 ✓保坂和志『アウトブリード』1998年 ✓斉須政雄『調理場という戦場』2002年 ✓池谷裕二+糸井重里『海馬』2002年 ✓山本貴光+吉川浩満『心脳問題』2004年 ✓池谷裕二『進化しすぎた脳』2004年 ✓池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」』2009年 ✓中野京子『怖い絵』(1—3集)2007—09年 ✓大澤真幸『社会は絶えず夢を見ている』2011年 ✓國分功一郎『暇と退屈の倫理学』2011年 ✓田崎晴明『やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識』2012年 ✓吉川浩満『理不尽な進化』2014年 …以上朝日出版社 ✓梶谷懐『日本と中国、「脱近代」の誘惑』2015年 ✓青山拓央『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』2016年 ✓K. E. スタノヴィッチ『現代世界における意思決定と合理性』(木島泰三訳)2017年…以上、太田出版 ✓安東量子『海を撃つ 福島・広島・ベラルーシにて』みすず書房、2019年 ✓三浦瑠麗『孤独の意味も、女であることの味わいも』新潮社、2019年 ✓綿野恵太『「差別はいけない」とみんないうけれど。』平凡社、2019年 ✓ウィンストン・ブラック『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』(大貫俊夫監訳)平凡社、2021年 |
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