不識塾では、歴史や哲学的課題、時事問題、最後は自社について、多くの人との議論を通じて自らの考えを深めていきました。このプロセスは、いかに自分の最初の「答え」が浅かったか、知ることの繰り返しでした。
一人で考えることには限界があります。塾生、師範、講師と本気の議論をしなければ、他者の視点を自分の中に取り込むことはできません。身を削り合う双方向の真剣勝負でした。
私は今も経営で、どれだけ本気で議論できるかを求めていると思います。ガバナンスや意思決定の透明化は、仕組みに頼るだけではなく、経営メンバーの真剣な議論を通じてのみ「実体」が確保されるのだと思います。不識塾は、自分が知らないことに気づく時間でした。
(2022年9月ご寄稿)