鑑賞会

2017年度「不識塾」では、「我々が発見した日本文化の真髄」をテーマに国内調査を行います。
それに先立ち10月7日(土)に千駄ヶ谷の国立能楽堂にて、お能鑑賞をいたしました。
演目は「土蜘蛛」。病に伏せる武将、源頼光のもとに止めを刺しにやって来た土蜘蛛が、反対に退治されてしまうというお話で、頼光やその家来と土蜘蛛の大立ち回りが見どころの演目です。
特に土蜘蛛の放った蜘蛛の糸がきれいに放物線を描き、頼光や家来たちにまとわりついていくさまは、人間が、まるで本当に蜘蛛の糸で絡め捕られていくような恐ろしさを感じるほどの迫力でした。
今回の舞台は、「能を知る会」をテーマとしており、台詞の現代語訳の投影や、鑑賞前の解説、鑑賞後の質疑応答など、初心者でもお能を楽しむことができるように、様々な工夫が凝らされた舞台でした。
こうした取り組みのおかげで、今回のお能鑑賞は古語や約束事などが分からなくても、お能の持つ神秘的な世界観に触れることができ、日本の伝統文化を今までよりも、ずっと身近に感じる機会となりました。