青天白雲塾
2017年11月2日

「近代史を通して“理念”のあり方を考える」講師:中島岳志先生(東京工業大学 教授)

講師
東京工業大学 教授
中島 岳志 氏

 

 古代の世界観・歴史観に触れ、自由に発想することを学んだフィールドワークも終わり、いよいよ「青天白雲塾」研修も応用・まとめ講座「西洋近代を総括し、日本的価値の普遍化の可能性を探る」に進んでいきます。ここからは、古代の世界とは打って変わり、現代社会やこれからの世界を考えるにあたり欠かせない「近代」を考察し、「近代」という時代が成立するに至った事象を丁寧に眺める作業に取り組みます。
 応用・まとめ講座の初回の講師は、近代政治思想史がご専門の東京工業大学教授の中島岳志氏。19世紀に西洋列強がアジアに進出したことで、日本はどのように近代に対峙したのか。近代という時代の特色を理解するために、「民主主義」「資本主義」「ナショナリズム」「帝国主義」という4つの“主義”について議論することから講座は始まりました。
 続く、中島先生の講義では、西欧の「ウェストファリア体制」、「デカルトの近代哲学」や日本の「明治維新」など、近代を象徴する史実を中心にご解説頂き、ご著書のタイトルにもある「アジア主義」という思想に明治の日本人が至った道程を紐解いて頂きました。
 ドイツの哲学者であるカントが提唱した「統整的理念」(人間にとって実現不可能な高次の理想)と「構成的理念」(政治的に実現可能なレベルの理念)を説明されながら、アジア主義が理念としてなぜうまくいかなかったのか、その理由を説明された中島先生。それぞれの企業を代表し、牽引していくことが期待されている受講生は、理念を語り、形にしていくことが求められます。歴史を過去のこととして学ぶのではなく、現実的な課題として向き合った受講生が将来に向けてどのように活躍されるのかが今から楽しみです。

(野口優子)

 

~受講生の声~
「西欧において近代が発展した経緯やナショナリズムの台頭、また日本におけるアジアの重要性について、大変理解が進みました。今後ビジネスを行う上においても、まずは相手の国の歴史を知ることが重要であると認識しました。」
[住宅 男性]

「現代の日本が直面するアジアにおける立ち位置の難しさにつながる歴史的背景を深く理解できた。中島岳志先生が、民主主義を「死者」の観点から捉え、さらに未来志向で考えている視点に新鮮な驚きと感銘を受けた。」
[製薬 男性]

「哲学や政治、経済を個別の学問として捉えるのではなく、統合して学ぶことで歴史認識が理解できるものだと感じました。グローバル化が進む中、自国及び世界の歴史を学ぶことの重要性を認識し、より深く学んでいきたい。」
[小売 男性]

 

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